お部屋探しする時に、いろいろなこだわり条件がありますが、最も重要なポイントの代表例が「場所」と「家賃」です。家賃は、収入のうち大きな割合の支出となる人がほとんどですから、安い方がいいですよね。
相場より安い家賃がいい!
しかし、相場より安い家賃には注意が必要です。やみくもに安い家賃に飛びついて、入居後に後悔する可能性があります。
この記事を読んで、正しく(?)相場より安い家賃のお部屋探しができるようになりましょう。
家賃が安いのには理由がある
家賃が周辺の相場と比較して安いのは理由はマイナス要因があるからです。
例えば、スーパーのお惣菜は夕方、割引シールがついて安くなります。作ってから時間がたつとおいしく食べられる時間が短くなるというマイナス要因がでてくるので、値引きというプラス要因をつけて売れるようにします。
賃貸物件の場合のこういった状態を具体的に事例を挙げて解説します。
事故物件
「事故物件」とは、不幸にしてその部屋で、病気や事件・事故で無くなってしまった人がいる部屋のことを言います。難しい言葉で言いうと「心理的瑕疵」がある物件という部屋になります。
このような部屋は、大きなマイナス要因ですので、相場よりも家賃は安くなります。一方で、宅建業法や公正取引法では、宅建業者(仲介する会社)に、このような部屋は「告知事項あり」として、顧客に事前説明する義務を課しています。そういった意味では、後から「知らなかった」ということは発生しにくいかもしれません。
日当たり
南側に建物がある物件は日当たりが悪くなるので、家賃が安くなります。
「そんなの物件を見に行った時にわかるでしょ!」と突っ込まれそうですね。しかし、当たり前ですが夏と冬の日当たり具合は全く異なります。夏に部屋探しをしたときには、全く気にならなかったが、実際に冬になると予想以上に日が当たらないといったケースがあります。
その日当たりが悪くなることを想定して安い家賃設定にしていても、事前にそのことがわかっていないと、その落差に後悔してしまうことになります。
冬の日当たりを想像しましょう。
近隣の騒音
多くの人は土日に実際に物件の内覧をするケースが多いです。この、土日というのが曲者です。例えば近隣に工場など等あると土日が休みなので音が出てないのです。
騒音のこともあるからと家賃を安くしていても、内覧した時の静けさと住んでみたときの騒音の落差に後悔してしまうことになります。
周辺施設の音(騒音)を想像しましょう。
周辺の嫌悪施設
周辺にいわゆる嫌悪施設があると家賃は相場より安くなります。
墓地、○社組織の事務所、刑務所、ゴミ焼却場、危険物貯蔵施設などの周辺は家賃は相場より安くなります。グーグルマップなどで周辺を調べればわかるものそうでないもの種類によってありますが、すぐ隣等なら、わかりますが、ちょっと離れていると意外と気づかなかったりします。
また、内覧した時間帯が夜だったりとか、最近ではオンライン内覧で、物件に行く過程は見ていないなど、状況によって周辺を把握できない場合があります。
周辺に嫌悪施設の有無を確認しましょう。
オーナーや管理会社の都合
物件のオーナーや管理会社の都合で家賃が相場より安く設定されていることがあります。
例えば、強気の家賃で募集していたが、数か月の間、入居者が決まらなかったので、もうさすがに早く入居してもらいたい。家賃相場で、募集して即日決まるわけでもなく、即、入居者が決まるように家賃相場より安く募集するというケース。
部屋を探す側からするとこのケースが最も望ましいです。(但し、時の運で巡り合える可能性はかなり低いのですが…)
家賃が相場より安く、「なんか怪しい…」とスルーすることなく、担当の不動産営業スタッフにこのような説明をうけたなら、そういうこともあるんだと知っておきましょう。知らなくて、「なんか怪しい…」という理由でスルーすると、決めなかった後悔をすることになってしまわないようにしましょう。
相場より安い理由が気になるか?
相場より家賃が安いのは理由があり、その理由の一例をいくつか解説しました。
安いからといって、契約して、後からその理由がわかると、後悔となります。しかし、最初に安い理由を分析して、それに対して検討することで、後悔はなくなるでしょう。
自分が、「家賃相場より安い理由」に対して、気になるか、気にならないかをよく検討しましょう。
マイナスポイントが気にならない人の具体的事例
一般的なマイナス要因が気にならない事例としては下記のようなものがあります。
人それぞれ、育った環境や仕事などの状況、経験で住まいにまつわる環境の判断基準があるものですね。
営業スタッフはマイナスポイントを教えてくれない?
ここまでの説明で、
「賃貸の営業スタッフが、マイナスポイントを教えてくれればいい話じゃね?」というご意見があるでしょう。
事故物件のように説明義務があるものは、別として…。知っていることをお客様に嘘をつくことは、ありませんが、知らないことを言わないのは仕方ないことです。お客様に、判断材料を提示してあげられないということはスキル不足ではあるのですが、背任とまでは言えません。
誤解を恐れずに言えば、極端な例ですが、医者でも弁護士でも、スキルの違いにより治ったりなおおらなかったり、解決できたりできなかったりが、あるわけです。
ここで解説したことをざっくりでも頭に入っていれば、ちょっと質問を投げれば、営業スタッフは調べて回答くれるものです。
以上、相場より安い家賃の部屋の理由を知ることで、後悔をせず、むしろお得な部屋探しとなる方法の解説でした。