騒音が激しい立地にある物件はお得?避ける?
お部屋探しをする場合に、「騒音」が激しそうなイメージがある環境にある立地のアパート・マンションは一般的に敬遠しがちです。
- 線路沿い
- 大きな道路沿い
- 商店街の中にある
- 学校がすぐ近く
など、いかにもうるさそうですが、しかし、こういった物件は、お家賃が安かったりするというメリットもあります。
そして、『「音」、「騒音」は人によって感じ方が異なるものだ』とよく言われます。もし、その騒音が自分にとって気にならなければ、家賃が安いことは、とてもお得です。
逆に、家賃が安くても、うるさくてうるさくて我慢できないのであれば、また、引越しを検討しなければならず、かえってお金がかかってしまいます。
とわいえ、ごちゃごちゃ理屈を言ってもイメージの域を出ませんので、今回は、線路沿いのお部屋と国道沿いのお部屋に行って、デジタル騒音計で、騒音レベルを実際に計測してみました。
「線路沿いや国道沿いの物件はうるさい!」という先入観やイメージではなく、リアルに騒音の数値を知り、体感することで、失敗しないお部屋探しのためのリポートをお届けします!
使用したデジタル騒音計
こちらのデジタル騒音計で、実際のdB(デシベル)数を計っていきます。
サンワサプライのデジタル騒音計です。(気温も測れる!)Amazonで、3,000円台で購入可能です。
音の大きさの単位「デシベル」
ちなみに、デシベルとは…。
デシベルは、音の強さを音圧レベルで表す数値になります。
20~30がヒソヒソ話レベル、50~60が静かな事務所や、通常の会話レベル、70以上が賑やかな場所など、騒音と感じる目安になります。
騒音レベル(dB) | 事例 |
120 | 飛行機のエンジン、離着陸直下→難聴 |
110 | 自動車のクラクション(前方2m) |
100 | ガード下 |
90 | 建設工事現場、地下鉄電車内 |
80 | 電車(屋外)、騒々しい街頭→会話が聞き取れない |
70 | 電話のベル等→集中力の低下 |
60 | 普通の会話、平均的なオフィス内 |
50 | 住宅地の昼→睡眠妨害 |
40 | 図書館 |
30 | ささやき声 |
出典:総務省HP 財団法人 小林理学研究所「音響の基礎:騒音の影響と評価・規制方法」より
線路沿いの物件
まずは線路沿いの物件から騒音を測りました。
窓を閉めた状態+電車無しの時の騒音レベル
まずは、窓を閉めた状態で、かつ、電車が走っていない状況で計測しました。
この状態で、30デシベルをやや超える数値です。
実は、この時、にわか雨が降り始め、その音も多少拾っていたので、実際は、30デシベルを切る数値もあったかもしれません。
いずれにしても30デシベル前後は、静かですね。
窓を閉めた状態+電車が通過している時の騒音レベル
線路沿いの物件で生活するうえで、このパターンが最も気になると思われます。
窓が閉まった状態で、電車が通過している状況の騒音の計測値です。
この状態で、約60デシベル前後です。
この場面を実況します。
- 踏切から”カンッ、カンッ、カンッ!”となりだします…約40デシベル
- 遮断機が下りきるといったん静かになります…約30デシベル中盤
- 電車が近づいてきます…35,40,45,50デシベル突破!
上の騒音レベルの表に当てはめると、「ちょっとうるさいなぁ~」という感じですね。
窓を開けた状態+電車無しの騒音レベル
窓を開けた状態を比較します。
「エアコン付けるほどでもないけど、ちょっと蒸すなぁ~。風でも入れよう!」という状況ですね。
窓を開けた状態では、40デシベルを超える騒音レベルです。
外からの街の音は聞こえますが、決して、うるさいと感じるレベルではないです。
窓を開けた状態+電車通過している時の騒音レベル
窓を開けて電車が通過する時の騒音の数値は最大値が予想されます。
ここが、最も注目されます!
窓が開いている状態での電車通過時の騒音レベルは、最大で約76デシベルを記録し、電車が見える間はほぼ70デシベルをキープした状態です。
窓が開いた状態で、数分ごとにこのレベルの騒音は、多くの人にとって、かなりうるさく感じると思われます。
国道沿いの物件
さて、次は、国道沿いの物件で検証してみましょう。
窓を閉めた状態の騒音レベル
写真で分かるように、建物の前は国道です。
リビングのバルコニーに出る手前で騒音レベルを計測しています。
おおよそ、窓を閉めた状態で、50デシベルの半ばから終盤の騒音レベルです。
普通に生活できるレベルの騒音レベルです。
正直、ここを寝室にするとさすがに気になる騒音レベルだとは思いますが、日常生活では全く困らないでしょう。
窓を開けた状態の騒音レベル
窓を開けた状態の騒音はいかほどでしょう!?
ちょっと見にくいですが、約79デシベル。騒音と感じるレベルですね。
窓を開けっぱなしでの生活は、かなりうるさいと思われます。
しかしながら、実際には窓を開けっぱなしで生活するのが気持ちいい期間は年間を通してそれほど長くありません。
夏は暑いし、冬は寒い。春は花粉が飛び交っているし…。
寝室の騒音レベル
ちなみにこちらの号室の奥の寝室(部屋)の騒音レベルを測っております。
静かです…。
この騒音計は30デシベル以下で「LOW」を意味する表示になりますが、ほぼこの状態でした。
このことから、騒音がうるさいと思われる立地の物件でも、同じ号室では確かにそれなりにうるさいが、別の部屋はとても静かである、ということがわかりました。
やはり、道路に近くて騒音がうるさいから、部屋探しの選択肢に入れないと最初から決めるのではなく、実際の騒音レベルを体感したり、家賃が周辺相場と比較してどのくらいコストパフォーマンスが良いかを客観的に検討することが、大事です。
まとめ
上記2部屋の検証した結果、確かに窓を開けている状態だと、騒音が気になる数値になっていました。
しかし、両物件とも、窓を閉めている状態にしていれば、生活するうえで、気になってしょうがないレベルの騒音ではないことがわかりました。
しかしながら、騒音の感じ方は人それぞれです。
- 最初はうるさくてうるさくて仕方なかったけれど、一週間程度で、慣れてしまった…。
- 国道沿いの車の音の方が慣れる。ずーと車の音が聞こえるから。けど、電車は断続的な騒音で慣れないから嫌だ…
- 鉄道マニアのいわゆる「音鉄」です。鉄道の音が騒音…?あり得ません!
- 一人暮らしだし、窓開けないし、家賃安いならOK。高かったら、嫌だけど…。あと、音はまだしも、振動の方が嫌です。
- 周辺の騒音は我慢というか、慣れるけど、隣や上の部屋の生活音の方が耐えられません!!
繰り返しになりますが、「騒音がうるさそうな立地にあるから…。」という先入観で、最初から部屋探しの候補から外さない方がよいです。
加えて、騒音が気になりそうな環境にある物件は、オンライン内覧も便利でよいのですが、必ず、自分で内覧し、体感してその部屋に住むのかを判断しましょう。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。