「掃出し窓」と「腰窓」は、前者の方が圧倒的に物件の量が多いです。また、実際のお部屋探しの条件としても、「掃出し窓」の方が人気があります。
ここでは、「掃出し窓」と「腰窓」のそれぞれのメリット・デメリットを解説します。そうすると「腰窓」の見方も変わるかもしれません!
掃出し窓と腰窓の違い
「掃出し窓」とは
掃出し窓とは、床から天井の方までの高さがある窓のことです。
諸説ありますが、掃出し窓は、昔、日本の住宅のお掃除から、由来があるようです。昔の掃除といえば、ほうきです。窓から、部屋のほこりや塵を「掃出し」ていたことから、こう呼ばれるようになりました。
実際には、雨などが、しみこんでこないように立ち上がりがあるものが多いです。
「腰窓」とは
腰窓とは、床と天井の中ほどの高さにある窓のことです。「掃出し窓」が床からに対し、「腰窓」は、壁の中央部分からの窓なのです。
わかりやすく言うと、「腰の高さ」からの窓ということです。
いわゆる「出窓」は、腰窓の一種ですね。出っぱているやつが、「出窓」です。
掃出し窓のメリット・デメリット
メリット
室内が明るい…床から天井付近までの高さがあるので、採光部分が大きい(広い)ので、室内が明るくなります。
解放感がある…上記の採光と関連しますが、開口部分が大きいということは、窓の向こうの景色もよく見えますので、開放的な感覚があります。壁に囲まれた閉塞感は少ないです。
出入り口となる…掃出し窓を開けて、その先のベランダ、庭へ行き来する出入り口となります。
デメリット
カーテン代がかかる…掃出し窓の高さは約180cmから200cm以上のもあります。面積がその分多くなりますので、カーテンの購入費用は、腰窓のものと比較して高額になります。
冷暖房効率がおちる…壁は壁材と断熱材が使われているので、外気の影響を受けにくいです。しかし、窓はガラスですので、外気の温度の影響を受けやすくなります。ガラスの面積が大きい程、その影響は大きくなります。夏、暑くて、冬、寒いという傾向になります。
腰窓のメリット・デメリット
メリット
防犯性が高い…腰窓はベランダがないので、侵入犯が掃出し窓と比較して圧倒的に入りにくい構造です。
という怖い思いをしません。
家具の配置がしやすい…掃出し窓はベランダとの出入り口となりますので、そこに物を置くことはできません。しかし、腰窓は、壁の高さの中程までなら、家具や家電を置けます。掃出し窓では置けないものが、置けるということです。
冷暖房効率が高い(電気代の節約)…腰窓ならガラス部分の面積が小さくなります。そのため、掃出し窓と比較すると外気の影響を受けにくく、冷暖房効率がよくなり、結果的に暖気代が安くなります。
デメリット
室内が暗い…「暗い」としましたがあくまでも、掃出し窓との比較です。
ベランダが無い…腰窓タイプの部屋は、ベランダがありません。ベランダが無いと、ベランダで洗濯物を干したりできません。
まとめ
「腰窓」は、人気がありません。ベランダが無いからです。
しかし、ファミリー世帯の賃貸物件ならいざ知らず、単身者用の賃貸物件だったら、「腰窓」物件はそれほど毛嫌いすることもありません。
その理由は下記の通りです。
①腰窓はベランダが無いので、不便に思えますが、実は、防犯性が高いともいえます。上記のメリットにも書きましたように、「知らない人がベランダにいつの間にかいた」という怖い思いをしないで済みます。
②今、洗濯物を外(ベランダ)に干すことが、少なくなっているます。どうせ外干ししないのなら、ベランダで外干しできないからベランダのない腰窓は嫌ですという理由も薄くなります。
- 春先は花粉の季節で、外干ししない
- 梅雨時は、部屋干しする
- 夏はゲリラ豪雨がいつ降るかわからないので、外出時に取り込めないので外に干さない
- 冬は日が沈むのが早く、仕事から帰ってくると真っ暗なベランダに冷え切った洗濯物…
③家具の配置がしやすいのは魅力です。特に一人暮らしの部屋は広いとは言えません。でも、ある程度の家具や収納は置いておきたいものです。どんどん物もたまっていきますから。
腰窓なら、その点、スペースを有効に利用できるので、むしろ、一人暮らしのお部屋ならとてもメリットになるのです。
いかがでしょうか?
「腰窓」の見方は変わりましたでしょうか?
人それぞれのライフスタイルによって、好き嫌いはありますので、あくまで、先入観で「腰窓は絶対嫌だ!」ということではなく、メリットも理解すると、お部屋探しの選択肢を広がります!