水道代が定額の賃貸物件は得とは限らない
賃貸マンション、アパートで、まれに水道代(上下水道代)が、定額の物件があります。定額だと、人によっては、「お得だ!」と思うかもしれませんが、そうでないこともあります。
定額と聞くと、思わず想像してしまうのが、「いくら使っても、値段が変わらないなら、お得でしょう!」ということ。
また、自分でそんな発想しなかったとしても、不動産の営業スタッフに、「こちらの物件は、上下水道料が定額制なので、シャワーを長く浴びる人とかは、かなりお得なんですよ!」とか、無責任な営業トークをさてそう思ってしまうことが、無きにしも非ず。
本当にお得なのでしょうか?
結論をいうと、得ではありません。
理由
まず、上下水道料が、定額の理由は、水道メーターが、各部屋についておらず、建物全体に1個しかついていないのです。つまり、どの部屋がどれだけ水道を使用したのか把握することができないためなのです。
割高に設定されている
入居者によって、水道の使用量は異なりますので、原則的な考え方としては、不足すれば建物オーナーが負担するわけですから、赤字にならないような料金設定にするケースが多いです。
つまり、やや高めの設定になっているのが一般的です。ですから、定額料金はお得とはいえない理由の一つがこれなのです。
値上げの可能性がある?
また、入居者のうちの誰かが、異常に水道を使うことで、建物全体の使用量が跳ね上がるケースもあります。入居者のうちだれが、大量使用しているのかがわかりませんので、全戸に注意喚起しても改善しない場合は、値上げせざるを得ないケースもあるのです。
10戸位の戸数が比較的少ない物件は、そういったことも少ないですが、50戸~100戸規模のマンション等は、複数戸で、異常な量の使用がみられるケースがよくあります。そして、改善が無ければ値上げせざるを得ないこともあるのです。
実際に賃貸借契約書に、使用料の上限を超えた場合の水道料の付加条項や改定条項など明記されている場合もあります。
結論
「定額」という言葉に安易に「お得」なイメージを持たないよにしましょう。また、「いくら使っても同じ料金なんでお得ですよ!」という、(あえてこのワードを使いますが)チャラい営業トークに乗らないように気を付けましょう。
ちなみに、上下水道料の定額料金の相場ですが、一人暮らし用のワンルーム(1K)の賃貸物件の場合、2,000円程度になります。但し、自治体によって大きく異なりますので、個別に調査願います。