はじめに
「分譲賃貸が希望です!」という方必見の情報です。
さて、分譲賃貸物件には、一般的な賃貸物件とは若干異なる点があります。それを把握していないと後々、大きなトラブルに巻き込まれたりします。
ここではそんなことが無いように、押さえておきたいポイントを解説いたします。
グレードに注意
分譲マンションは、一般的にマイホームとして建築されています。
そのため、一般的な賃貸マンションより、グレードが高く作られています。豪華なエントランス、高級な建具、便利な設備の数々が揃っているのです。
それを期待して『分譲マンション』の賃貸物件を希望する方が多いのです。いわゆるいい物件ですので、家賃もそれ相当にしますが、支払う価値があるということで人気があるわけです。
しかし、「分譲マンション」には違いないのですが、「賃貸用の分譲マンション」もあり、それは通常、賃貸仕様となります。わかりやすく言えば、多くの人が頭の中に描いている分譲賃貸マンションのイメージより、グレードは低いのです。
「賃貸用の分譲マンション」とは、不動産投資家が購入(投資)目的に建築されています。それはどういうことを意味するかというと、投資家は、物件購入価格に対する家賃収入、つまり利回り重視となります。
物件価格が上がると、利回りが低くなります。物件価格を抑えるためには、建物の仕様を落とす必要があります。マイホーム用として建築された分譲マンションと投資用分譲マンションは質が異なってくるのは当然です。
投資用分譲マンションが「悪い」ということではなく、「購入用分譲マンション」と比較するとグレードが低くなるということです。
分譲マンションを選ぶ場合は、マイホームとして建築された「分譲マンション」か、「賃貸用の分譲マンション」なのかを事前に確認し、また、実際に目で見て期待しているグレードなのかを確認することが必須です。
定期借家契約に注意!
賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の主に2種類があります。
分譲マンションを賃貸にする場合に、しばしばあるケースが「定期借家契約」なのです。定期借家契約とは、契約期間が決まっていて、期限が来ると退去しなければなりません。
更新という概念がありません。
再契約を貸主が認めれば、引続き住むこともできるのですが…。
そもそも定期借家契約にするということは、再び貸主(所有者)が、戻ってそこに住むという意思があるということなわけです。
分譲賃貸マンションを借りる世帯は、ファミリー世帯が中心で、子供の学区、通学の関係で、簡単に引越しができないケースがあります。「定期借家契約」の分譲賃貸マンションは出来れば避けた方がよいです。
もし、「定期借家契約」でもということであれば、契約内容の詳細の確認と把握をして、契約期間満了の前に慌てたり、後悔したりすることの無いようにしましょう。
定期借家契約とは?
自己使用を目的とした分譲賃貸は、所有者が転勤したり、家族構成が変わるなどして自己使用ができなくなった場合に「賃貸物件」として有効活用されるケースが多いです。
所有者の中には、自己使用ができないのは一時的で、将来的には「また住みたい」と考えている方もいらっしゃいます。 そのような場合、定期借家契約という選択肢があります。
これは、「一定期間はお部屋を貸しますが、期限が来たら返してください。」という約束のうえでの賃貸借契約です。 一般的な賃貸借契約では、正当事由(客観的に致し方ないと認められるほどの重大な理由)が無い限り、住み続けたいという入居者との契約を打ち切ることはできません。
それを可能とするための契約形式で、いわゆる「契約更新」がありません。 特に問題がなければ再契約できるものと、必ず契約終了になるものがあります。 長く住みたいと考えているなら、再契約タイプであることを確認してください。
定期借家契約の場合、期間が限定されているがゆえに、一般の家賃相場よりかなり安かったりします。契約前に事前説明はあるものの、安いからといって肝心なポイントを見落とさないようにしましょう。
マンション管理
設備の故障の対応
一般の賃貸物件はいわゆる「大家さん業」で、設備の故障時の貸主側の負担すべき対応をしっかりと理解している方がほとんどです。
しかしながら、分譲賃貸マンションの貸主(所有者)のほとんどは、そこ一戸のみの賃貸オーナーで、貸主の負担すべき修繕義務を理解していないケースがあります。
例えば、
「給湯器が壊れてお湯が出なくなってしまった!」
という場合、部品の修理であれば、数千円から1-2万円で住みますが、全交換となると10万円前後かかります。そうなると、修理代を出し渋る貸主(所有者)もいるのです。
電球が切れた場合は、消耗品扱いなので借主が負担するものですが…。
設備に関しては、貸主が修繕義務を負いのです。しかし、これを理解していなかったり、頭では分かっていても、金額の大きさに躊躇して、故障個所を直してくれないというトラブルが、よくあるのです。
つまり、借りる側は、あらかじめ、こういったことが無いよう、貸主が理解しているか、実行してくれるかの念押しをした方がよいのです。これは、仲介の営業担当スタッフを通して、確実にしておきましょう。
共用部分の不具合対応
分譲マンションを賃貸で借りて住んだ場合、そのマンションの管理組合の規定に従うことになります。
賃貸借契約上の建物の専有部分に関する「管理」は、貸主から委託された不動産管理会社または、貸主自信になりますが、共有部分は、管理組合(ややこしい話ですが、管理組合は所有者で構成されていますので、管理組合から委託された管理会社)となります。
専有部分…貸主(または、貸主が委託した不動産管理会社)の管轄
共有部分…マンションの管理組合(または、管理組合が委託したマンション管理会社)の管轄
何か不具合があった場合の問合せ先をしっかり確認することが大切です。
まとめ
いかがでしたか、「分譲」の賃貸マンションを探すときに押さえておきたいポイントはご理解いただけましたでしょうか?
- 建物の設備・仕様が自分が期待できるグレードのものかしっかり確認
- 分譲賃貸の「賃貸借契約の形態」をしっかり確認(定期借家契約は契約期間をきっちり確認)
- 契約上のこと、建物の専有部分、共有部分のトラブルや疑問点を問合せする先をしっかり確認
以上に注意して、グレードの良いマンションにお得に住めるとよいですね♪
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